頭蓋・顔面の組織欠損そしきけっそん

頭蓋・顔面の組織欠損そしきけっそん

病気の説明

頭蓋・顔面の組織欠損が起こる原因には手術・ケガ・やけどなどがあります。

手術は腫瘍(できもの)やがん、感染などの治療のために行われますが、切除される部分が多くなると失われた部分を補うためにも治療が必要となります。

ケガの原因は交通事故、労働災害、スポーツ外傷などがあり、損傷の程度に合わせた治療が必要となります。

やけどでは皮膚が大きく影響を受けますが、治った後にも瘢痕(キズあと)や拘縮(ひきつれ)を生じて治療が必要になることがあります。また、放射線治療によっても頭や顔に変形が起こることがあります。

頭蓋・顔面には多くの重要な臓器が複雑に配置されているため、この部位に組織欠損が起こると見た目の問題以外にも食べる、しゃべる、見る、匂いをかぐなどの日常の基本的な機能が障害されてしまうことがあります。可能な限りそれらの問題を軽減するために治療を行います。

治療

治療の選択肢は手術・エピテーゼ・コスメなどがあります。下に挙げた様々な治療を、症状や患者さんのご希望に合わせて選択していきます。

手術

患者さん自身の組織を移植したり、人工物(インプラント)を用いたりして組織欠損を補う手術を行います。患者さん自身の組織を用いる場合は、皮膚・脂肪・筋肉・神経・骨など、欠損に応じて必要な組織を体の別の部分から移植します。欠損を埋めるだけではなく、可能な限り残った機能を維持するために組織移植が行われます。インプラントも用途に応じて材質を選択します。例えば人工骨にはチタン(金属)・レジン(合成樹脂)・HAP(ハイドロキシアパタイト)・β-TCP(ベータリン酸3カルシウム)などがあり、状況に応じて使い分けられています。

頭蓋骨欠損に対する人工骨挿入術
エピテーゼ

欠損を補うために体の外側に貼り付けて用いる人工物です。主には見た目の改善のために使用され、患者さん一人一人の状態に合わせてオーダーメイドで作られます。体に新しく傷をつけずに見た目の改善ができるという利点があります。義眼もエピテーゼの一種です。エピテーゼの作成は基本的には自費ですが、自治体によって補助金が使える場合もあります。

顔面組織欠損に対するエピテーゼ装着
コスメ

頭髪の欠損に対して用いられるウィッグや、キズあとをカモフラージュするために用いるテーピングや医療用メーク、アートメイクなども治療の一環として用いられることがあります。

著者

愛知県がんセンター形成外科
部長 髙成 啓介

愛知県がんセンター 形成外科

著者

兵庫医科大学 形成外科
主任教授 垣淵 正男