顔面の腫瘍しゅよう血管腫けっかんしゅ脈管奇形みゃっかんきけい

顔面の腫瘍

病気の説明

顔面に生じる腫瘍には様々なものがあります。黒子(ホクロ)などの母斑ぼはん(アザ)も腫瘍に含まれます。ここでは、母斑(アザ)以外の腫瘍について説明します(アザについては顔のアザを参照してください)。腫瘍には良性の腫瘍と悪性の腫瘍があります。
良性の皮膚、皮下腫瘍には

  • 粉瘤ふんりゅう表皮嚢腫ひょうひのうしゅ
  • 脂漏性角化症しろうせいかくかしょう
  • 類上皮腫るいじょうひしゅ皮様嚢腫ひようのうしゅ
  • 石灰化上皮腫せっかいかじょうひしゅ毛母腫もうぼしゅ
  • 汗管腫かんかんしゅ
  • 眼瞼黄色腫がんけんおうしょくしゅ
  • 脂肪腫しぼうしゅ

などがあります。
いずれも視診、触診によりある程度の診断は可能です。
小さく表在性のもので、可動性があれば局所麻酔で切除可能なことが多いです。

また比較的頻度の高い皮膚悪性腫瘍として

  • 基底細胞癌きていさいぼうがん
  • 有棘細胞癌ゆうきょくさいぼうがん扁平上皮癌へんぺいじょうひがん

などがあります。いわゆる皮膚癌といわれるものです。
いずれも高齢者に発生することが多く、有棘細胞癌の場合は、転移などがないかCTなどの画像検査を行います。
治療は外科的な切除が原則となり、腫瘍周囲の正常組織をある程度含めた切除が必要です。

粉瘤
脂漏性角化症
基底細胞癌
有棘細胞癌

血管腫・脈管奇形

病気の説明

血管腫は腫瘍の中でも「血管」をおもな成分とするもので、かつては

  • いちご状血管腫
  • 単純性血管腫
  • 海綿状血管腫かいめんじょうけっかんしゅ
  • 動静脈奇形どうじょうみゃくきけい

などに分類されていました。近年分類法が変わり、血管内皮細胞の増殖がある「血管腫」と血管内皮細胞の増殖がなく血管が異常に集合している「血管奇形」とに分類されるようになりました。血管奇形は病変を構成する血管の種類(血流の速さ)によりさらに細かく分類されます。呼称についてはまだ慣習的な呼び方もされており、医師の中でも統一されていないのが現状です。
現在は血管腫と脈管奇形にわけ、以下のような分類がよく用いられます。

血管腫
  • 乳児血管腫にゅうじけっかんしゅ(いちご状血管腫)
  • 先天性血管腫
  • 房状血管腫ぼうじょうけっかんしゅ

など

脈管奇形
  • 毛細血管奇形もうさいけっかんきけい(単純性血管腫)
  • 静脈奇形じょうみゃくきけい(海綿状血管腫)
  • 動静脈奇形
  • リンパ管奇形(リンパ管腫)
  • 混合型脈管奇形:上記の2つ以上が組み合わさった病気

乳児血管腫は、生後1週ころから赤い斑点ができ、1年以内に急速に増大します(増殖期)。その後は、小学校低学年くらいまでに少しずつ消えていきます(退縮期)。しかし、あと(瘢痕はんこん)が残ることがあります。内服薬が有効であり、目に近い病変、大きな病変などは内服治療の適応となるため、主治医との相談が必要です。

脈管奇形は、基本的に生まれつきの病気ですが、深い病変などは大きくなってから気がつかれることもあります。

毛細血管奇形は、いわゆる赤アザです。その他の脈管奇形は、エコーやCT、MRIなどの画像検査によって診断します。動静脈奇形の場合は血管造影検査を行うことがあります。

毛細血管奇形は、レーザー治療が有効ですが、複数回の治療が必要となります。その他の脈管奇形は、外科的切除や特殊な薬を病変の中に注入する硬化療法などの治療法があります。

血管腫・脈管奇形には、様々な種類があり、治療法もそれぞれ異なります。診断・治療に習熟した医師の診察を受けることをお勧めします。

乳児血管腫
毛細血管奇形
静脈奇形
リンパ管奇形

著者

北海道大学病院形成外科
助教 石川 耕資

著者

日本医科大学 千葉北総病院
教授 秋元 正宇