理事長挨拶
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理事長挨拶
日本頭蓋顎顔面外科学会
理事長 小室裕造
(帝京大学医学部形成・口腔顎顔面外科講座
教授)
一般社団法人 日本頭蓋顎顔面外科学会は1983年(昭和58年)に創設された伝統ある学会です。当初は顎顔面領域の外科手術に関して、形成外科、耳鼻咽喉科、歯科などの関連する科が横断的に討議する場として発足し日本顎顔面外科学会として創立されました。その後、頭蓋骨の変形や顔面骨の変形を頭蓋からのアプローチで治療するというクラニオフェイシャルサージャリーの発展により第1回国際頭蓋顔面外科学会が1985年に開催されたのに合わせ、学会名は日本頭蓋顎顔面外科学会と変更されました。
本学会の源流は先天性の頭蓋骨・顔面骨の異常、口唇口蓋裂を含めた顔面の先天異常、顔面骨骨折、顎変形症などの疾患を土台である骨から治すという分野です。その後、会員数が1,000名を超える規模に拡大してきたのに合わせ、顔面神経麻痺、眼瞼下垂、頭頚部腫瘍切除後の再建など軟部組織を含めた分野、また最近では顔面骨の輪郭手術、眼や鼻の美容手術、フェイスリフトなどの顔の美容外科も取り入れ、いわば顔を治す専門家集団として発展を遂げています。
会員の約9割は形成外科医が占めますが、矯正歯科・口腔外科や脳神経外科および耳鼻咽喉科などの他科の先生方にも参加していただき、チーム医療による治療の質の向上も目指しています。
私が2019年に第37回の学術集会の会長を担当させていただいた時のテーマは"顔のプロフェッショナルを目指して"としました。顔について悩んでいる患者さんにこたえられるよう専門家集団が集まり切磋琢磨し、また後進の育成に取り組む学会でありたいと考えています。
本学会の主な活動は年1回の学術集会およびそれに合わせて行われる学術講習会です。学術講習会は若手医師の皆さんに好評をいただいております。近年は献体頂いたご遺体を用いた手術手技研修(Cadaver Surgical Training: CST)が日本においても行われるようになってきており、本学会でも日本形成外科学会と協力し顔面のCSTを行うなどしてワークショップの機会を増やせて行けたらと考えています。また日本頭蓋顎顔面外科学会専門医制度があり、形成外科の領域指導医取得に必要な専門医資格の一つとなっています。ぜひ会員の皆様には専門医の取得をお願いいたします。
理事長として会員の皆様に有益な学会であるよう最善を尽くして参りたいと存じます。またそのことがひいては患者様への貢献につながると考えています。皆様方のご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。