頭蓋骨縫合早期癒合症ずがいこつほうごうそうきゆごうしょう

頭蓋骨縫合早期癒合症ずがいこつほうごうそうきゆごうしょう

病気の説明

赤ちゃんの脳は生後6か月までに生まれた時のサイズの2倍の大きさになり、2歳になるまでには、さらにその2倍の大きさになるといわれています。このような脳の急速な成長に対応できるよう赤ちゃんの頭蓋骨は7つの骨のピースに分かれており、脳の拡大(成長?)に対応できるようになっています。それぞれの骨片のつなぎ目を頭蓋縫合といいます。頭蓋骨縫合早期癒合症ではこの頭蓋縫合が早期に癒合してしまう病気です。頭蓋縫合の早期癒合があるとその部分では頭蓋骨の拡大がおこらず、頭蓋骨の形がいびつになります。一部の症例では頭蓋内圧が高くなり脳の発達に影響を与える可能性があります。頭蓋骨縫合早期癒合症には頭蓋だけの変形を示す単純性の早期癒合症と頭蓋以外の変形(顔面の低形成や手足の異常)を伴う症候群性の早期癒合症があります。

新生児の頭蓋骨と縫合線
矢状縫合早期癒合による舟状頭
前頭縫合早期癒合による三角頭
片側冠状縫合早期癒合による斜頭
冠状縫合を含む複数の
頭蓋骨縫合早期癒合による尖頭
両側冠状縫合早期癒合による短頭
複数の頭蓋骨縫合早期癒合による
クローバー葉様頭蓋

病因

単純性の頭蓋骨縫合早期癒合症の原因はまだ分かっていません。これに対し症候群の頭蓋骨縫合早期癒合症(クルーゾン症候群やアペール症候群など)では遺伝性を認めるのもが多く、最近その原因遺伝子が明らかになってきました。

診断

頭蓋骨縫合早期癒合症では特徴的な頭の形あるいは特異な顔貌を示しますので、ほとんどの場合、診察だけで診断がつきます。
診断の確定には3次元CT撮影が有効です。また水頭症などの脳の異常を合併することもあるので脳のMRI撮影も必要です。気をつけなければいけないのは、子宮内や産道を通るときの圧迫あるいは寝ぐせ(片側だけを向いて寝ている)による頭の変形と鑑別することです。このような外力による頭蓋骨の変形は、頸が座るようになると自然に軽快することがほとんどです。変形が強い場合は、寝るときの頭の向きを変えるなどして変形が固定化するのを防ぐことが大切です。また、近年ではこのような外力による頭蓋の変形に対してヘルメットの装着による矯正治療も行われています。

治療

脳の発育障害が危惧される場合や、変形が目立つ場合には手術が必要です。頭蓋の拡大ができないことによる脳への圧迫を取り除くことと、変形した頭蓋の形を整えることが手術の目的です。手術は通常、脳の発育を考慮し変形が広範囲に及ばない、生後1歳以下で行われます。顔面の変形に対しては呼吸障害がる場合や、高度の眼球突出がある場合は早期の手術が必要になりますが、それ以外は就学期以降まで待機して手術が行われます。