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唇裂・口蓋裂しんれつ・こうがいれつ

病気の説明

唇裂とは、くちびるから歯ぐきにかけて生まれつき裂け目が見られる形態異常です。一方、口蓋裂とは、口の中の天井部分から口蓋垂(のどちんこ)の部分にかけて裂け目がみられる形態異常です。唇裂と口蓋裂は合わさって生じることも多く、その場合は唇顎口蓋裂あるいは口唇口蓋裂などと呼びます。裂け目には、右側、左側、両側ものがあり、裂け目の程度もさまざまです。
唇裂・口蓋裂は顔のほぼ真ん中の最も目立つ部位に裂が現れるので、本人をはじめご両親・親族の方の精神的負担が大きな病気といえます。しかし、治療法の飛躍的進歩によりすばらしい治療成績が上げられるようになってきていますので、ご安心ください。

唇裂術前
唇裂術後

病因

500〜600人に1人の割合で生じる比較的頻度の高い生まれつきの形態異常ですが、原因は分かっていません。一般的には、環境因子と遺伝因子が複雑に影響しあって生じていると考えられています。原因となる遺伝因子は一つではなく、いくつかの遺伝子が複雑に絡み合っており、誰もがその因子を持っている可能性があると考えられます。その遺伝因子に、高齢出産・ストレス・タバコ・薬剤・ウイルス感染・栄養などの環境因子が絡むことで唇裂・口蓋裂が発症すると理解されています。

診断

初診では、唇裂・口蓋裂がどのようなタイプなのかを見極めることが重要です。加えて、口蓋裂が認められる場合は中耳炎を生じる事が多いため、早い時期に耳鼻咽喉科での診察をうける必要があります。また、噛み合わせを良い状態に保ち、口の中の衛生を保つために専門の歯科を受診する必要があります。口蓋裂では言葉を正しく発音するための検査や訓練が必要で、そのために言語聴覚士の診断も受ける必要があります。

治療

はじめに申し上げなければならないことは、唇裂・口蓋裂の治療では医科・歯科に渡る多くの専門家が協力してチーム医療をおこなう必要があるということです。良い治療結果を得るためには、まず、医科・歯科にまたがったしっかりとしたチーム治療を行っている施設を選んでください。
唇裂・口蓋裂の赤ちゃんを持ったご両親にとって最初に直面する問題は哺乳です。くちびるや上あごの裂け目から空気が漏れるために十分な哺乳量が得られにくくなっています。しかし、飲み込みができない原因がほかにない限り、適切な対応をすれば口から哺乳することができます。まず、口蓋裂の赤ちゃん向けに販売されている専用の乳首を用いる方法があります。これらを使用することでほとんどの赤ちゃんは哺乳できるようになります。また、施設によっては、上あごの裂をふさぐ歯のない入れ歯のような装置を赤ちゃんの口の形に合わせて作製し哺乳の補助とする場合もあります。
手術は、口唇形成術(くちびるの手術)を生後3ヶ月、口蓋形成術(口の中の天井部分をふさぐ手術)を1才から2才、顎裂部骨移植術(歯ぐきの欠損部に骨移植を行って閉鎖する手術)を歯が生え替わる頃に行うことを基本としています。しかし、施設によって手術時期や順番、手術回数が違います。さらに手術方法も一つではなく、施設によって工夫され異なった方法で行われています。それは、それぞれの施設でベストと信じている方法を一貫して実践している結果です。唇裂・口蓋裂の治療方法に正解はありません。しっかりとしたチーム医療が確立されていれば結果に大きな違いはありません。良く担当医とお話しをして、安心して担当施設の治療方法を受けられることをお勧めします。

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